デリーに戻る飛行機は14時20分発。雨がすごくて、道路状態が分からんから11時30分ぐらいにホテルを出発するらしい。
時計を見るとまだ10時すぎ。1時間以上ある。時間あるなあと思ってたら、晴れてきた。さっきまでの嵐がウソのようです。
チャオラさんに「ガンジス川に行くよー」って言ったら、「もう時間がないからダメ!」って言われたけど、暇なので内緒で行くことにした。11時30分に戻ってきたらいいでしょ。いざ、ガンガーへ。
オートリキシャと交渉開始
オートリキシャを見つけて交渉開始。例のごとくいっぱい集まってくる。最初に声をかけてきたヤツに50ルピーで交渉成立。OKOK、と誘導するが彼のオートリキシャがない。
「約束する、あっちにオートリキシャはある。」と言うから、しばらく一緒に歩いたけどオートリキシャは見えないので、諦めて他のやつを探す。どんどん集まってきて、次のオジイがガンガーまで50ルピーでOKというから、乗ろうと思ったが、他のヤツとケンカしだす。
ちょっと面倒なので、一回ホテルの入口まで戻り、ドアマンと話す。
「あいつらは100とか150ってふっかけてくるから気をつけろ!」
「50ルピーで成立してるならOKだ。気をつけていけ。」
とアドバイスをもらい、2番目のオヤジに決定。オヤジはうれしそうだが、他のヤツがまだ何か罵声をかけてる。僕ではなくそのオヤジに。争奪戦だ。その後ろに最初のインド人もいて、すごい怒っている。
オートリキシャーでしばらく走る。雨で洪水地帯があったり、木が倒れてたりして大変だ。なんとなく地理は頭に入ってる。昨日走った大通りを走らず、小道ばかりを走るので、なんか怪しいなと思っていたら、交差点で明らかに逆方向に曲がりよった。
「おい、オヤジどこにいくつもりだ。」
「すごい雨だったから、道が閉鎖されているんだ。」
「何を言ってるねん。逆方向をみんな走ってるだろ!」
オヤジと言い争う。
オートリキシャのオヤジが捕まる
「ちゃんと行け!」
って言ったら、オヤジは小さく頷いてUターンした。そして、ちょっと進んで交差点で信号待ちしてたら、横から運転席にオヤジが入ってきた。なんだこれは!これが乗り合いってやつか?なんか怒ってるぞ。
そのオヤジはドライバーの首をヘッドロックして、右側を指差してる。俺とは目もあわさない。このリキシャはジャックされたのか?
「右に曲がれ!」
「俺はガンガーに行くんです!」
ヒンズー語は全く分からんので、何を言ってるか分からんがそんなやり取りがあったように思う。ポカンと見てたら、ドライバーが交差点に引き摺り下ろされて、そのまま連れて行かれた。
交差点でオートリキシャに1人残された。どうしたらいいのだ。とりあえず降りて、どこに行くのか見てた。遠くの建物に入っていった。建物にはポリスと書かれていた。オヤジはポリスに連れて行かれたのだ。
なんで捕まったのだ?
周りのインド人が、あーあ、っていう目でその光景を見てる。僕と目が合うと、また、あーあ、って顔してる。そこで待ってな。という雰囲気です。大きな交差点でのんびり待ちながら、人の流れを見てた。
オートリキシャのオヤジが帰ってきた
30分ぐらいして、ドライバーがトボトボと帰ってきた。
「何があったんだ。説明しろ!」
「ガンガーへ急ぎましょう!」
「いやいやいや、説明しろ!」
しつこく聞いてたら、
「実はこの車に問題があって…。」
たぶんそんな感じのことを言ってた。もしかしたら、車が違反だから、ポリスを避けて裏道ばかり走ってたのかもしれん。時計を見ると、10時45分を回ってた。無駄な時間を使ってしまった…。時間がないので、残念だが、ホテルに戻ることにした。ガンジーTシャツを買いたかった。
「オヤジ、時間がないからホテルに帰って!」
「分かりました、だんな」
帰りもよく分からない道を走るから不安になる。細い道ばかり走るし、停まる度にエンストだ。思い返せば、一番最初に他のドライバーと口論してたのは、
「お前、ほんとうにオートリキシャで行く気なのか!」
ってことだったのかもしれん。
無事ホテルに帰ってきたら、ドアマンが、ガンガーいけなかったのか…。みたいな顔しとる。ロビーではチャオラがさっきの日本人女性たちと楽しそうに話しとる。女性と話しているときのほうが明らかに楽しそう。部屋に戻って、荷物をまとめてすぐにチェックアウト。そして、ロビーでガイドと合流。でも、ドライバーはまだ来てない。
ドライバーが来ない
11時45分になったが、まだ来ない。ガイドがドライバーに電話しているが、連絡が取れない様子。
12時ぐらいになったときに、電話がつながった。そして、ドライバーは12時30ごろに来ますとの報告。
ガンガーに行けたやん!!
時間を無駄にするのがインド…。ドアマンと話したり、外に出て写真撮ったりして、時間を潰してたらまたリキシャたちが集まってくる。
「どこへいくんだ?」
ごめん、もう帰るんだ。と言うと、みんな悲しそうな顔をしてた。いや、こっちが悲しいです。ドライバーが来たのは12時40分ぐらいでした。
限られた時間しかない旅行で、自分とは関係ない理由で時間が失われる。しかし、インドではこういう状況を受け入れなければいけない。それにしても、こんなにフリータイムがないツアー旅行は初めてだ。もうツアーでは来ないぞ。
ああ、ガンガーをまた見たかった。そしてガンジーTシャツを買いたかった。残念だが、ホテルをチェックアウト。
空港に向かう。