台湾の電機街で歩き疲れたので、お茶しようぜ、という話になったが、行き当たりばったりな展開に嫌気がさしたTAKA
もうお前らに任せていられない、俺が調べる!
奇古堂という中国茶のお店を見つけたようだ。タクシーに乗り込んだ。
台湾奇古堂にお茶を飲みに行く
運転手に行き先を伝えるが、全然伝わらない。なのでガイドブックを渡す。
言葉が通じず不安そうな顔をしていたドライバーは、一生懸命ガイドブックを見ていた。「任せろ大丈夫だ!」的なジェスチャーでレッツゴー。しばらくすると「もうすぐだ!」みたいな顔でこっちを見てくる。順調そうだったが、突然、運転手が叫ぶ。
「アイヤー」
間違って、逆方向の一方通行に入ったようだ。どんどん進んでいく。どんどん離れていく。下ろしてもらって歩いていくことにした。
周りに何もないので心配になって、駐車場で道を聞く。「奇古堂は遠いぞ、3kmはあるぞ」と言われる。
少し歩いて、お店に入って場所を聞く。いっぱい人が集まってきる。「ここから近いぞ」と言われた。みんな言うことが違う。方向はあってそうなので、引き続き歩く。
そしたら、前から来たおじさんが、話しかけてきた。
君たちはどこに行くのだ?
台湾奇古堂というお茶のお店に行きます。と言うと、「私がその店のオーナーだ。今からホテルでお茶会をするから一緒にどうだ。」と言われて、付いていくことになった。日本に住んでいたこともある沈甫翰(シンホカン)さんは学習院大学でお茶の授業も持っているそうだ。日本のことも詳しい。
いろいろ話しながら歩いた。着いたホテルはハワードプラザ・ホテル台北。俺らのホテルとは全然違う。いいホテルだ。場違いなところに来たかもしれない。おまけにお茶会といいながら僕らしかいない…。
奇古堂のお茶会がスタート
どんなお茶が好みだ?と聞かれるが、いつでもノープランのボクらにお茶のこだわりがあるはずもない。ちょっとお茶しようか。と軽いノリで休憩する場所を探していたのだ。深く考えずに、「苦くないお茶がいいです。」と言った。
うちには苦いお茶などない。
お茶って何種類ぐらいあるんですか?
君はコシヒカリが何種類あるか知ってるか?
お茶に対するこだわりがビシビシと伝わってくる。苦笑いするしかない(笑)。ここは、YANが状況を打開した。
か、かおりがいいお茶をいただけますか?
沈さんはお茶を出してきて、僕たちの前のお茶入れにお茶を注ぐ。飲みたいように飲みなさい、と言われるが試されているようで怖い。沈さんのマネをして、まずお茶の香りを楽しむ。いい香りだ。と思っていたら、さっそく注意された。
「姿勢が悪くては正しい匂いは感じられません。」
はっ、すいません。
僕ら3人の背筋がピンと伸びる。「あ、匂いが変わりますね。」と横で言ってるが、僕には変化が感じられなかった。心が濁っているのだろうか。
沈さんはお茶にECOを求めている。できるだけペットボトルは使わず、自分でお茶を入れて飲もう。という運動を推奨している。
いいお茶なら、何度飲んでも味のバランスは変わらない。経済的でもある。なので、沈さんのお茶会は、一度入れたお茶の味が変わらないことを体験してもらうようになっている。だから、何杯もお茶を飲む。
お茶を飲み終わると、すぐに次のお茶が注がれる。飲んでも飲んでも注がれる。コップが小さいから1杯の量は少ない。しかし、終わりが見えない。
話もだんだん白熱してきた。日本人は日本のことを知らない。みたいなことを言ってた。沈さんは戦争を経験している。
「日本とアメリカが戦争して、台湾は犠牲になった。誰が得した?誰も得していない。」
むむむ、なにやら難しくなってきたぞ。歴史の知識があれば何か返せるが僕には無理だ。いや、今はお茶だ。いや、そもそも休憩しに来たんじゃなかったっけ?なぜか休まってない感じがする。僕は静かになった。
10回から20回お茶が注がれ、その後、違う種類のお茶が注がれて、僕はもうお腹がタプタプ。味もよく分からなくなってきた。ここでTAKAが脱出のためのアクションを起こす。
先生、もうお腹がいっぱいです
「そうか、そろそろこのへんにするか。」僕の横では、今までのサービスに対してお金が発生するのかどうか躊躇している2人がいた。TAKAが聞く。
今までのこのサービスはおいくらですか?
そんなものはいらん。それならお茶を買いなさい。
すぐさまTAKAがお茶を買う。YANも買う!日本人はこういうシチュエーションで必ず購入する人種だ。僕だけ買わないのもなんなので僕も買った。
休んだのか疲れたのかよく分からないが、お茶会は面白かった。奇古堂のお茶会はオススメです。
ハワードプラザ・ホテル台北を出るともう夜だった。歩いて駅まで向かう。雨がパラパラ降っているが、ナイトマーケットに行くことにした。
台湾茶の奇古堂のYANの感想はこちら。