日本に帰ってきて、カンボジアで受け取ったものを日本のNPO団体(グローバルファミリーの会)に渡した。そこで、いろいろ聞いた。現地での金銭感覚や生活。ボランティアしている人達の価値観。現地の先生が月収5000円を6000円にして欲しいと要求してること。
1000円アップは簡単だ。でも、それでは何も変わらないだろう。
カンボジアで「何か僕にできることがありますか?」と聞いたら、机を買うお金が欲しい。と即答された。結局一番うれしいのはお金。
いろいろ考えた。
なぜボランティアといえば、カンボジアなのか?
- なぜ日本人がボランティアの対象としてカンボジアを選ぶのか?
- アジアの中にもっと貧しい国はないのか?
- 日本の中にも貧しい地域はあるんじゃないのか?
- どんな人がボランティアをするのか?
- ボランティアでどうやって生計を立てているのか?
カンボジア以外も調べた。恵まれない人はいたるところにいた。日本の中にだって大変な人はいっぱいいる。
やっぱりお金をあげても、何も変わらないと思った。与えることは自己満足。どうしてもボクはそう思ってしまう。でも、カンボジアに行って、自分の目で見たら、何かしてあげたくなった。これも正直な感想。どうしたらいいんだ。
カンボジアでは、内戦が長く続き、長い間地雷を撤去してる。「もうほとんど地雷はない」って現地の人は言ってたけど地雷の恐怖はなくならない。文字が読めなくて、地雷エリアに入ってしまうこともあるそうだ。読み書きできない人は多く、教育水準は低い。
ポルポトに知識人が殺されて、病院や学校は壊された。だから、東南アジアの中で遅れをとってる。ラオスがもっとひどいらしいが、ラオスは学ぶ気がないらしい。ミャンマーもひどいが、軍事政権で途中で略奪されるから支援しにくいらしい。(ラオスもミャンマーも人に聞いた情報)
いろいろ調べていると、社会起業家という言葉が目に入って、興味を持つようになった。
社会起業家の本を片っ端から読んだ。
片っ端から本を読んだ。10冊もなかったので、全部読んだ。
どの本もめちゃくちゃ面白かった。人はやりがいに飢えている。一部の団体は経済的にも成り立っているようだ。でも、プロモーションかもしれない。
社会起業家のイベントに参加
イベントにも参加した。ここ数ヶ月は、ボランティアや社会起業家、NPOや行政の人たちと話す機会を意識的に作った。
- ウェブの業界もプロボノ?
- 年間1000万台のパソコンが動いているのに捨てられる。
- 環境や身近な社会問題への関心が高まるなか、インターネットやウェブ屋ができることは?
- 社会起業支援サミット2009 in 神奈川のイベントに参加
どんなNPO団体と話しても、経済的に厳しい。ボランティアスピリッツで成り立っているので、若い人(学生)か年配の人(リタイヤ)ばかり。ビジネス経験がないピュアな学生と、過去の立場はあるけど現場力がないお年寄り。面白いほどにパターン化している。当然うまくいかない。
僕ら30代がどうコミットしていいのか、どうすればコミットしてもらえるのかは、みんな悩んでいる。
「産業としては成り立たないから民間企業が参加しない。」と何かの本に書いてたが、そのとおりかもしれない。
社会起業家でも本気度はいろいろだし、参加している人の本気度もさまざまだった。ビジネスモデルを考えて、勝算があると思って始める人もいるだろう。勝算がないと分かっていても関わる人もいれば、勝算がないことに気づいてない場合もある。サラリーマンが安定収入を得ながら、よさげなビジネスモデルを物色している人間もいる。
ボランティアが失敗するのはビジネス経験の欠如のため
たくさん情報を得ていると、失敗するパターンや成功するパターンもなんとなくわかってきた。
失敗する組織に足りないのはビジネス経験だと思った。
もう1つひっかかっていることがある。何かを与えることがボランティアではなく、自立する手助けをすること。それは分かる。でも、そもそも自立する手助けってすごい上から目線じゃない?
俺は自立しているのか?
僕は自分の身近な人をハッピーにしているのか?
ボランティアの難しさ
帰ってめちゃくちゃ調べた。なるほどと思ったのは、これ。
栗本さんのお話しの中で、私にとって、とても印象に残った言葉があった。「私はボランティアをする上で、絶対にしてはいけないことが2つあると思う。それは、1.相手の目線で物事を見ること、2.相手の立場になって考えること。」
えっ??聞き間違いかと思った。その2つはボランティアをする上で、一番大切なことなのではないかと思ったからだ。栗本さん自身も、ボランティアをしてきたこの20年間、これを一番大切なことだと考えてきた、と言う。それでは、なぜ全く逆のことを考えるようになったのだろう。私はわけがわからなかった。
「これら(1、2)をしようと試みたとき,自分はどの位置にいるのかを考えるとわかるよ。」と言われた。「相手の目線になって、と考えている時点で,自分が上で、相手が下と位置付けているのではないだろうか。」ということだった。確かにそうかもしれない、と思った。「ボランティアをする上で一番大切なのは、相手にあわせることではなく、ありのままの自分をもって、現地の人たちと仲間になろうとすることだと思うよ。」
https://web.archive.org/web/20090606022908/https://www.myticket.jp/muaki-rep05.html
結局、本当に相手と同じ目線にならないとわからない。中途半端な支援は、相手のプライドを傷つけることだってある。
だから、僕は「自己満足でやってます。」「ビジネスでやってます。」ってはっきり言う人のほうが信用できる。お金持ちが余ったお金をあげるのも分かる。
ボランティアのスタンスを決めた!
いろいろ考えた。ものすごく考えた。その結果、スタンスを決めた。とりあえずボクが見て感じたことを書く。だからブログを書く。ブログに書いて少しでもたくさんの人に知ってもらう。
「好き」の反対は「嫌い」ではなく「無関心」だという。だから関心をもってもらうために、情報発信。
うん。ウェブらしい考え方。
ボランティア活動は自分の身の丈にあった程度でいい。自分にもっと全力投球しないといけない。ボクはボクのことで精一杯。東南アジアの人の勢いはすごい!上から見てたら、いずれ立場は逆転しそう。
年収の1%、すべての人が寄付したら世の中はもっとよくなるだろう。投資も寄付もウエイトが大きすぎるといろんな矛盾が生まれると思う。だから、その1%が大きくなるように自分に全力投球。
正しいことをしたければ偉くなれってことなんかもしれん。
やっぱり現場はボランティアなのです。
今までウェブの仕事をずっとやってきたので、何かに生かせたらと思っています。誤解を恐れず言いますと、自己犠牲の上に成り立っているボランティアには興味ないです。そうではなく、正しいことをしっかりビジネスにして、継続可能な活動にしたいと考えています。
サービスグランドに登録して、プロボノを行うことにした。活動内容はブログに残します!